講演動画
組織発酵学の講演会の様子を一部視聴できます。
- 組織発酵学とは?
- イノベーション/変革人材の育成に必要なことは
- 組織発酵学の特徴は?
といった内容が視聴可能です。(講演時間 24分)
音声のみ
組織発酵学とは?
「発酵」は人間に有益であり、「腐敗」はたまたま人間に害があるというだけであり、菌自体は同じことをしています。
そのため菌自体は、人間に悪影響を与えようとしているのではなくただ生きているだけなのです。
人間にとって有益な「発酵」であるか、害がある「腐敗」なのか、人というフィルター、つまり人という見方、捉え方で決まるだけなのです。
このことを聞いたときに
「我々も物事を捉えるにあたり、正しいと捉えるか悪いと捉えるかによって、その後の自分の接し方やアイディアの出し方に違いが出てくる。
誰かとともに何かをするときにはこの捉え方、見方次第でいかようにもなる」
と感じ、これが「組織発酵学」につながるとを感じたのです。
また、様々な点で発酵の世界で起こることと人材育成に必要なことで共通点があることに、だんだん気がついていきました。
発酵しはじめは、目に見えくい、分かりにくいことと同じように、人間も成長し始めは分かりにくいという点があげられます。
成長がわかりにくい、そのために必要なことがある、という話になります。
そして、発酵も成長も内側から起きているという点が共通点です。
発酵は外から人の力を加えて作るのではなく、菌の力を信じて菌が育成しやすい環境を整え、内側から発酵させています。同様に、人の成長も他者からの指示や強制によって行うのではなく、本人の内発的なものが重要になります。
もう1つ挙げると、自らの基準を持って生きているという共通点が挙げられます。
菌は発酵環境の中で基準をもっていて、どんな環境になったら発酵し始めるかどうかが決まっています。
人間も、外部からの基準で学ぶよりも、自分の軸をもちながら学習を行う方が、より成長につながります。
このように菌が発酵することでもたらされるメリット(旨味がでる、長期保存可能、整腸作用、殺菌など)のように、人材育成の世界でも同じような事が言えるのではないかと感じました。
企業における自立型人材やイノベーション人材を育成していくにあたり、このような発酵の世界で起こる事象や現象の言葉を借りながらすすめていくのが「組織発酵学」です。
組織発酵学の内容
組織発酵学」を一言で言うと、変革・イノベーション人材に必要な「あり方・やり方」を養成していく学問です。
しかし、変革イノベーション人材に必要な「あり方」に関しては、一朝一夕には養成できるものではありません。
例えば、物事の捉え方を少し広げてみたり、囚われが無い前提で思考したり、意識することがイノベーションには必要ですが、なかなか難しいものです。この囚われを外すことを、組織発酵学ではまず行います
また、人は外部情報に揺さぶられやすいものです。過去の外部のデータにばかり目を向けるのではなく、「あなたの会社は何をやりたいのか」「社員をどのようにしていきたいのか」という心の内側にあるものや、そもそもの動機、想いに目を向け、認識していただくことを発酵学では行っていきます。
次に「視座・視野」という話においては、人は普段の仕事をしているとどうしても、1つのところに集中するとどうしても見る目が狭くなるため、この見る目を少し上げる、広げるという手助けを行っていきます。
さらに「変わるもの・変わらないもの」という点についてもイノベーションにおいては重要です。
菌の世界では発酵の過程で最初に活躍する菌、二番目に活躍する菌がおり、環境が変わっても変わるもの・変わらないものがあります。
同様に、自分たちの環境変化に対しても、変わるものと変わらないものがあることをお伝えし、イノベーションのタネを見つける視点をお伝えしていきます。
近年、人事の方とお話しする中で人材育成にあたり研修などで得られる知識は、スキルレベルの教育が主体となり、学びが定着しない、本質的でないという声をお聞きしていました。
このことより、ベース(あり方)の部分にアプローチをすることが企業側も大事だと考えていることが伺えます。そして、そういったあり方を「発酵」を通してお伝えできることがあると考えています。
今後ニューノーマル時代、アフターコロナ時代と呼ばれる中で、やり方だけではない教育がこれまで以上に必要である会社が増えると思います。一方で、残念ながらその点においては手放していく会社も出てくると感じています。
私どもはそのような中で、お客様に提供できるものを7つの原理原則という、法則をベースに人材育成プログラムを開発いたしました。
組織発酵学の学び方と特徴
まず組織発酵学の特徴として、私がお伝えする組織発酵学の原則を学ぶ場と、業務改善や新規事業開発など、現場でのプロジェクトを並行して、共に進めていくことが中心にあります。
発酵では、1つの菌が全てを果たすのではなく、様々な菌が相互作用してバトンタッチをしながら発酵食品を作りだしていきます。
つまり菌は相互扶助として助け合っています。
しかし一方で、企業においては、分業が進んだためか、個人の力や限られた人だけですすめている傾向があります。
他に、イノベーションを起こすには、直接手を加えるのではなく、好機を待つという点が挙げられます。
菌は発酵するのを、じっと待ちます。まさに「観察して、任せている」のです。それに対し、企業の中では「任せる、手放す、見る、待つ」という言葉が受け入れにくい傾向があります。
こうした発酵に基づいた育成と現状の会社の課題の差を埋めるためには、3つの方法があると考えている
実際のプロジェクトを通して行う
1つ目は教え込むのではなく、実際のプロジェクトの中で気づいていくことです。
人材育成においては教え込むやり方が蔓延しています。
現代のように若い社員が自ら多くの情報を手に入れられる中においては、外発的動機付け(=他者からの指示)の「やり方」を教えることだけでは限界があります。
そのため現場で実践しながら、学んでいくことを重視し、主目的(=仕事)をすすめながら人材育成(=副目的)を行う、という考え方で組織発酵学は行っていきます。
様々な人材で行う
2つ目は優秀な人材だけでなく、ハイパフォーマー以外の人も一緒にやることです。
これまでの日本の教育は既存事業をうまく回すことに長けた教育でした。しかし、ハイパフォーマーは、既存事業を上手く、ミス無く、効率的、効果的に行うことには長けています。
一方、リスクを避けがち、既存の思考パターンに囚われやすいなどの懸念も無くは有りません。
そのため、ハイパフォーマーの社員とそうではない別の考え方をもった社員を混ぜた学習チーム、プロジェクトチームを作ることで新たな考えが生み出されていきます。
プロダクトアウト思考
3つ目はプロダクトアウト思考という、「内側にあるものを大事にする」という視点です
どうしても会社で働いていると、決められた目標やプランに沿って、いわば外部の基準に基づいて仕事をすることが多くなります。しかし、イノベーションのためには、もっとシンプルな内なる声、素直な想い=自分の基準が必要です。
内側にある声を、頭だけでなく体で聞くやり方を通して「自分なりの基準」を作ること、自分のあり方を作る手助けを、組織発酵学を通じてできると考えております。
組織発酵学を通じて、伝えて行きたいこと
まず先ほどの発酵と腐敗と同じように物事の捉え方を変えていくことです。
次に視座・視野の拡大です。
これは自分だけで気が付くのではなく、外部の力を借りていくことが必要です。
その中で自分がどのような基準の中で生きているかということにフォーカスし、自らの軸をもつことで他力を活用しながら目標到達を自立的に出来るようにすすめていきます。
発酵学が提供できる価値
発酵学では、あり方を整え「ぶれない軸」をもち、変化対応できる「しなやかさ」を具備した、自立型人材やイノベーション人材になることを目指しております。
人事の方はともに、決まりきったプログラム、実施方法だけではなく、一緒にゼロベースで実施方法やカリキュラムを企画する(企む)ことを提案して参ります。
そして会社の中での、人事や企画担当者の実績や経験に貢献にしたいと考えています。
結果的に企業の自立型人材やイノベーション人材が増えることで、離職率や自殺などの数値が減りしなやかで強い企業を作るお手伝いとなればと考えています。