開発者メッセージ

一見理解しにくい「あり方」=意識や捉え方、見方などの要素を、発酵の世界で起こる言葉、事象で説明し(菌を撒き)、受け取った側で染み込ませる(発酵させる)。

そして、変容や定着の仕掛けや支援(熟成)を行うことで、変革イノベーション人材に必要な「あり方」と「やり方」を養成するプログラムとなりました。

日本の組織の力を上げる

組織発酵学のサイトを訪問いただきありがとうございます。

企業の人材育成に携わり20年弱。企業の課題や現場の悩みにずっと耳を傾けてまいりました。
そこでは、一筋縄や思い通りにいかない環境・事情の中で、様々なパートナーやクライアント様のご協力やご尽力をお借りしながら、企業の問題解決に微力ながら資して参りました。

そこで感じたことは、この国の行く末を考えた際、一番求められることは『変革・イノベーション人材を育成すること』だと感じており、それはコロナを経てその想いは益々強くなりました。

ただし、イノベーション人材を育成する、この主題こそ一筋縄ではいかないテーマでした。単純なやり方やハウツーの育成プログラムでは付け焼き刃にしかならない、変革に対してブレーキがかかりがち、などいくつもの課題を感じてきました。

そのような中、イノベーション人材育成のためには、根本的にどういったことが必要なのか? そのためにはどんなプロセスが必要なのか? 発酵とイノベーションの関係は? なぜ組織発酵学を開発したのか? といった事についてお話しさせてくださいませ。

なぜ、変革・イノベーション人材が?

変革イノベーション人材の育成が必要だ!そんな想いに駆られた原点は、主に3つの経験からきています。

1つは、私が学生の頃から「この国はいずれ少子高齢化、地方の過疎化など様々な課題が予見されている中で、この国はこのままで大丈夫だろうか?」と思っていたことがあります。このままいけば、衰退し、日本のポジションが下がってしまうのでは、という危機感です。

2つ目は私自身が20年弱、企業の人材育成やマーケティングのお手伝いしてきた中で痛感したことがあります。それは「イノベーション」「新規事業を起こしたい」というニーズがどの企業にもあるのに、イノベーションが生まれていったケースと、失敗に終わったケースがあり、この差は何なんだろう?と感じ、試行錯誤して来たことにあります。

3つ目は、私個人の課題が原点にありました。自分が仕事や生活において、様々な壁や困難にあたり、自信過剰になったり自信喪失になったこともありました。そんな自分自身の課題と向き合って自身の変革・イノベーションに、何度も挫けそうになりながら挑戦して参りました。もちろんまだまだ発展途上の自分でありますが、そんな自己の経験を踏まえ、挑戦・変革していくために必要な姿勢や要素を共に学び続けていきたい、そんな想いが動機にあります。

私の人生において、変革・イノベーションに資することで「誰かのため、またこの国にお役に立てることに貢献したい」という使命感につながっていったのです。

イノベーションは、集中と脱力の間で生まれる

今までイノベーションはどうやって生まれてきたのか?過去のイノベーション事例を紐解いていくと、いくつかの法則が見えてきます。

新しいアイディアは集中して意識的に思考した後、無意識な状態、無関係なことをしている時に湧いてくる事が多い。この事は、皆様の感覚や過去の事例からも分かりやすい1つの法則かと思います。また過去の常識や前例という囚われを外した時に、一気に路が開けることもその1つでしょう。

有名な例をあげると、発酵食品である納豆。これは皆さんご存知のように偶然見つかったものでした。煮豆を冷まさずに藁に巻いていたらできたそうです。意図的に作ろうとしたり、いつも通りの方法で出来たわけではないのです。

他にも、電子レンジも軍事目的で違う研究していた際に発見されたり、付箋も、強力な糊を開発していたら見つかった接着剤を活用したものでした。

この様に普段見えてないところ(意識して集中していない状態)や、主目的とは別の所にイノベーションが起きている事例は枚挙にいとまがありません。

イノベーションは集中したあとの緩んだ状態や、思い込みや主目的から開放された時、などにヒントがある、と言えると思うのです。言い方を変えると、アクセルを踏むだけでなく、アクセルを緩める事の両方が大事だと言えるでしょう。

発酵とイノベーションの関連性とは?

集中(緊張)と脱力(弛緩)
イノベーションのために必要な、この2つの概念、どう学びとしてお伝えし、活用していくのか?そんな事を模索している時に、自然界の微生物の働きである「発酵」の世界に出会いました。

そこには、自然界の法則に則った、無理しない、外から余計な力をかけない、ある程度任せる、ご縁と相互扶助を活かす、といったキーワードが沢山並んでいました。

例えば、日本酒の製造過程の話。

日本酒は、麹や乳酸菌、酵母といったいくつかの菌が、それぞれのステージで役割を果たし、生成物を作っていきます。

ある菌は、殺菌などの役割を一気に果たしたあと、静かに消えていき、次の菌が活躍する場を作ります。次の菌はまたその先の菌のエサとなる生成物を作っていっています。その結果、アルコールが生成されていくのです。

つまり「俺が俺が!」「なんでも自分で」と力が入るのではなく、助け合う、力まない、次に任せるといった「自然な流れ」の「相互扶助」の関係性があるのです。

同じ自然界の法則であるならば、人や組織も同じことがあてはめられるのではないか?ここから、発酵とイノベーションの共通点探しが始まりました。

やリ方とあり方の両方が大事

「集中と弛緩」という切り口の他に、人材育成全般で感じていた課題感があります。

それは、やり方だけ教えても、結局はイノベーションは起こらない、ということでした。企業の人材育成やマーケティングプロジェクトに20年弱関わってきて、得た結論です。

思考法、企画発想フレームワークなど「やり方」つまりノウハウ、ハウツーだけで考えても、なかなか常識や固定概念といった思い込みや、リスクを避ける事が先に浮かんでしまうものです。

そこで、どうしても必要になってくることは、イノベーション人材としての「意識」や「視座視野」「マインド」が欠かせないのです。

例えば、これおかしくない?と問題意識を日々持ち、そういったアンテナを張っていると、イノベーションへの路は拓けやすくなります。また、イノベーションには王道や正解はないため、正解不正解に拘るのではなく、こうだったらいいよね!という遊びが書かせません。つまり、やり方だけ学び、企画し続けても、どうにも他の人もいいね!と共感されるような流れになりにくいのです。

このように、変革・イノベーション人材を養成していくにあたり、特に「やり方」だけでは難しい、と現場を通じて確信しました。変革・イノベーションには「やり方」と「あり方」の両面が欠かせないのです。

自身が経験した課題を同じように悩める方にも役立ちたい

そして、組織発酵学の開発にあたっては、私自身が、ぶち当たった課題にも思いがあります。

私自身は20代中ばに、中小企業診断士という資格を取得し、講演や執筆活動など会社内に留まらず精力的に活動する機会を得ました。
若輩者ではありましたが、チャンス・ステージを頂き、果敢に挑戦・活動してきました。

しかし、30代中盤に入った頃からは伸び悩み、さらに痛い思いを沢山するようになりました。その原因は「やり方」を磨くことだけに専念し、自身の「あり方」を磨くことを後回しにしてきたことだったのです。別の言い方をすると、自分軸中心に仕事をしてきた結果とも言えました。
痛い現実、そしてその自分の課題に向き合うことは、時に逃げ出したい気持ちにも何度もなりました。

ただそんな私にも多くの先輩や仲間が声をかけてくれたり、支えてくれました。
ここで得た含蓄あるお話や実践を通じた学び、そして組織開発や人材育成の理論と何度も照らし合わせながら、課題を明確化させ、2歩進んでは1歩戻るを繰り返してきました。

まだまだ発展途上の自分ではありますが、「自分が苦しんだことは、他の方にも役立つはず」との想いへつながっていきました。
自分と同じ落とし穴にはまっている方に、反面教師としてお役に立ちたい!お客様の課題解決に役立ちたい!そんな想いが、この組織発酵学の開発へとつながっていきました。

組織発酵学を通じて、変革・発展にお役立ちしたい

このように、仕事を通じて感じる問題意識や、自身の課題と向き合い続けていく中で、発酵の世界と出会ったのです。
発酵の世界に携わる様々な方々に色々お話をお伺いしました。

日本酒、特に生酛造りと呼ばれる伝統的な酒造りの世界に起こる現象、味噌や醤油などの醸造過程で大切にされていること、酒蔵や杜氏さん、そのための原材料を生産される先人達が守り続けてきた伝統やその心意気。

今までの人材育成で欠けていた部分、なかなか手が届きにくい組織の課題、ここに発酵の世界で起こっていることを通じてお役に立てることがあるはず!この想いが確信に繋がっていきました。

組織発酵学は、広く万人、どんな企業にも受け入れられる概念ではないと自覚しています。
ただし、混迷を極めるこれからの時代に今までにないアプローチを探している、特に日本的価値観の組織を志向される企業にはお役に立てるのではないか、と信じております。

組織発酵学が、皆様の変革・イノベーションの礎となり、組織の発展に繋がること、祈念して止みません。

組織発酵学のロゴに込めた想い

“しなやか”

既存の固定概念に囚われずに、新たな視点や価値観を生み出す意識や行動を

“ぶれない軸”

内からくる想いや判断基準を持ち、目的地に向かって行く意識や行動を

※「組織発酵学®」は、Brew株式会社の登録商標です。

変革・イノベーション人材を輩出するための
人材育成プログラム